東名高速の沼津インターを降り、天城峠を抜ける。
あるいは、東京出発ならば、厚木から小田原厚木
道路を経て 134号線で左手に海を見ながら
海岸線をひた走る。
温泉街や観光地がひといきついた頃、河津温泉の看板が見えてきます。
河津といえば、早咲きの桜が真っ先に思い浮かびますが実は今回の訪問地、
ホテル「四季の蔵」は、もうひとつの名所になるかもしれないほど
ドッグオーナーには人気の宿です。
国道を右折してまっすぐ。河津の温泉街を右にみながら山道をどんどん進みます。
「こんな場所にホテルが?」だんだん不安になってきた頃道の左側に突如、
バリ島でおなじみの赤い幟がずらっと並ぶ場所に出ます。
ホテル「四季の蔵」に到着です。
この赤い幟の脇は、第2駐車場と呼ばれており、
運悪く頂上部の第1駐車場が満車の場合は
ここにクルマをとめて歩くことになります。
今回、私たちは、午後3時半のチェックインだった
こともあり、そのまま頂上の第1駐車場まで進みました。
ところが、これが思わぬ計算外の出来事に。
後部シートの愛犬ギネスが、お友達の匂いをいちはやく感知
したのでしょうか、クルマがまだ坂を上る途中から吠え始め、
ドアをあける頃には、大興奮。
ホテルマンの方に思いっきり笑われてしまいました。
ホテル「四季の蔵」のフロントは、駐車場から建物の脇を回り込み、
池を超え(ここでもギネスは池に入りたいと大暴れ)たところにあります。
バリ風の小さな玄関が、出迎えてくれました。
フロントで簡単なチェックインをすますと、ラウンジに案内してくれます。
ここでは、ウェルカムドリンクとしてハーブティをサービスいただきました。
落ち着いた雰囲気のラウンジでは、ドッグオーナーがゆっくりくつろげるように
テーブルの間隔がゆったりとられておりとてもリラックスできます。
1 お部屋
今回宿泊したのは、ツインベッド。
テラコッタ風の床材が犬の足にも心地よく
また全体に暖かみのある色で統一されています。
ちょっと感激したのが、バスルームのアメニティ。
女性の立場でこまかなところまで心配りが行き届いています。
ちょっと残念なところは、お風呂が温泉では
ないこと。その代わり、大きめのバスタブには
たっぷりお湯をはってジェットバスに
することができます。
お部屋の窓からは、海が見えます。
2 ドッグラン
「四季の蔵」の大きな特長が4つのドッグラン。
森のドッグラン、屋上ドッグラン、ドッグテラス、そして雨の日でも遊べる屋内ドッグランがあります。
森のドッグラン
その名前の通り、ホテルの裏山の森に囲まれたドッグラン。
地面はよく掃除が行き届いています。
犬が飲み込むと危険なものなどが落ちていません。
大型犬が走るのにたっぷりの距離がありゆるやかな起伏になっているので、ワンコはとても楽しそう。
思わず野生に戻っているのか、ギネスは休みもとらずに走り回っていました。
簡単なアジリティもあるので、さまざまな楽しみ方ができます。水飲み場、ウンチ袋の用意もあり理想的なドッグランです。
屋上ドッグラン
滞在中、意外と便利だったのが、このドッグラン。
階段を登って簡単に行くことができます。
ラバーの滑り止めが敷き詰められているので、
犬の足には優しい工夫がされています。
日中の日差しが強い時は、日よけがあるので、
その下でのんびりしたり。
ここからの海の眺めは、最高です。
夜の10時まで使用可能。
星空の下のドッグランも、なかなかでした。
ドッグテラス
フロントとは別の普段の出入り口の周りが
ちょっと休憩できるドッグテラスになっています。
犬の足にも気持ちのいい設計です。
テーブルとベンチがいくつも置かれているので、
犬を連れてお茶したりするのにも最適。
ここは、ドッグランとしても使えるような
十分な広さがありました。
屋内ドッグラン
今回は天気に恵まれたため使いませんでしたが、
この屋内ドッグランも大型犬が走り回れるくらい
十分な広さがあります。
3 ディナー
和食とイタリアンが選べます。
今回、私たちは2泊したので、一日目はイタリアン
二日目は、和食をチョイス。
どちらも素晴らしい思い出になるディナーでした。
イタリアン
本館の2階にあるダイニングでいただきました。
この日のメニューは、伊豆のお魚、天城のお野菜を
中心にしたさっぱりしたメニューが中心でした。
遊び疲れたギネスは、テーブルの下でおとなしくしていました。
ワインの種類も豊富。愛犬と一緒に本格イタリアンと
好きなだけワインをボトルで飲めるなんて、
ひときわ贅沢な気持ちになりました。
ボリュームが多いので、前半からセーブしていく
ことをおすすめします。
ワンコ用のかわいいクッキーもサービスしてくれました。
和食
なかなか予約がとれない評判のお店です。
「くらの坊」というお店なのですが、
ここへは、ホテルから送迎のクルマで約5分。
もちろん、ワンコも同乗させてもらえます。
お店に入って感激したのが、カウンターの前に広がる湯煙。
大峰温泉公園の中にあるので、噴煙をあげる湯煙をみながらディナーをいただくという、最高のロケーションでした。
メニューは、天城でとれる有機野菜が中心。
素材をいかした料理法が中心で、あっさりしているのに、どれも深みのある味わいで
丁寧なお仕事がされていました。炭火で焼いた地鶏の味は、格別。天城地鶏という珍しい鶏だそうですが、
身がしまっていて、懐かしい鶏肉の味がしました。
4 朝食
私たちが宿泊したゴールデンウィークから、
四季の蔵初めての試みとして、バイキング形式の朝食が始まりました。
ジュースやパン、卵料理に始まり、サラダ、スープ、ハム、ヨーグルトなどが
バイキングテーブルに並びます。
冷製スープはとても美味しかったのですが、
お料理のバリエーションが少なかったのが、少し残念。
バイキングについてのアンケート用紙もお部屋に置いてあったので、
お客様からの感想がいっぱい寄せられていることと思います。
朝食のイタリアンレストランは、朝の光がいっぱいに差し込んで、とても気持ちよかったです。
5 スパ
ホテル「四季の蔵」の楽しみの一つが、ドッグスパ。
夜10時までいつでも利用できます。
水泳が大好きなギネスは、迷わず体験してみました。
ドッグスパは、池の近くにあって家族風呂をひとまわり大きくしたようなサイズ。大型犬でも余裕で飛び込んで泳げます。
いつものように、おもちゃを投げてあげると
喜んで飛び込んでいくギネス。ところが、この日は、途中からちょっと様子がおかしい。いつものように、走り回ったりすることもなく
「しょうがないから飛び込むか」という感じなのです。
そして、ベターっと、床に伏せています。大きく下まで舌を出しているので、気づきました。
「熱すぎるのかも」
このドッグスパは、温泉なので、遊んでいるうちに、ギネスはどうやらのぼせてしまったようです。
それでも、30分ほどドッグスパを初体験。
翌日、他のお客さんに聞いたところ「けっこうぬるかったですよ」とのこと。日によって温度が違うかもしれません。
人間にとっていい湯でも、犬にとっては熱すぎたみたいです。
* * * *
ホテル「四季の蔵」は、行く前に想像していた以上に素晴らしいホテルでした。何より、犬のため
ドッグオーナーのためを考えてさまざまな心配りができていることがうれしかったです。
滞在中、つねに感じたのは、清潔なこと。これだけ犬がいっぱいいるのだから、
あちこちに毛が落ちていても不思議ではないのですが、いったいいつ掃除しているのかと思うくらい
ホテル内は、清潔に保たれていました。
東京から、約3時間半くらい。
ちょっと遠いかもしれませんが、その価値はあります。それだけの距離を移動してこそ手に入る
愛犬と一緒の幸せな時間、皆様も、ぜひ。