Malibu Dog Market (マリブドッグマーケット) のオープンにあたり海外のペット用品事情の視察のため
私たちは、カリフォルニアのMalibu Beachに行くことにしました。
この海外レポートは、Malibuの現地レポートを中心に、LAのドッグライフ事情
犬グッズ、ペット用品のショッピングガイドなども、あわせて紹介していきます。


レンタカーの憂鬱

みなさまもご存知のように、カリフォルニアはクルマ社会。バスや鉄道、タクシーもありますが、
移動はやはりクルマが便利となる。

空港に着くと、レンタカー会社の送迎バスでレンタカー事務所に向かう。

経験された方も多いと思いますが、このレンタカー会社で、延々と待たされます。クルマの
キーを手にするまで、1時間近くかかることも多いのです。

何事も自己主張を好むアメリカ人がカウンターで粘るため、列は遅々として進まず「予約」とは
何のためにあるのだろうと思わずにはいられないわけです。アメリカで飛行機が遅れたときや
キャンセル待ちや振り替え便の手続きをする時と同様に「私は、こうじゃないとダメなの」
という「わがまま」を延々と展開するため、列はいっこうに短くならないのです。

ようやく回ってきた、私の順番。

カリフォルニアアクセントの英語で窓口の女性は、決まってこう告げるのだ。

「あなたの予約しているクルマより、もっといいクルマが今ならお得にご用意できますけど、
どうします?」

当然ながら「用意できる」クルマは、いくらお得とはいっても予約している車種より値段が
高いことになっている。予約しているクルマはといえば、「ちょうどタイミング悪く、まだ戻って
いない」のだ。

そう、たまたま、ない、のだ。列が長くなる理由が、よくわかる。

日本から10時間近く飛行機に乗ってカリフォルニアに着き、レンタカー会社で立ったまま1時間
近く待たされ予定より1日5ドル高いクルマをすすめられるというわけだ。もちろん、粘っても
いいが、たいていの人は、「それでいい」と言ってしまうのではないか。

私も「じゃあ、それで」と、すぐに降参することになった。

担当のレディは、にっこり笑い、さっきまでとは打って変わったハイスピードで手続きを行い、
満面の笑みで、キーを渡してくれた。

やれやれ。おそらく予約したクルマはどっかにあるのだとは思うが、、、。

自分が「借りた」クルマは、自分で探す。広大な駐車場を歩き回りやっと見つけてシートに
倒れこむように座ると、やっと一息つけるのだ。それは、セルシオ、という日本車だった。

ゲートでは、何人もの係員が、私が運転する日本車を見て声をかけてくれる。

have a nice trip !」ようやく私は、ロスの旅人になった。


ホテルは、サンタモニカにした。

Malibuに近いこと、夜でも徒歩で街を歩けることが、大きな理由だ。

サンタモニカには、なかなか手ごろなホテルがない。そもそも、ロスに来る観光客の多くは、
ディズニーランドやハリウッド観光が目当てのため、ホテルもアナハイムやビバリーヒルズに
多くが、かたまっている。

航空券だけよりもホテルと組み合わせたツアーの方が安くすむのだが、サンタモニカには、
ツアーで設定されているホテルが限られてしまう。

(妻は日程が違ったために、ハントレイというホテルに宿泊した)

そこで、ネットを使って見つけたのが、Embassy Hotel Apartmentsだ。

サンタモニカホテル
サンタモニカホテル2

サンタモニカの目抜き通りともいうべきサードストリートからも歩ける近さのうえ、
何よりも緑いっぱいでヨーロッパ調のクラッシーな雰囲気が気に入った。

レンタカーで行ってみると、予想どおりのたたずまい。Embassy hotelは、
まるでパリの古いホテルのような落ち着いたCosyな部屋を用意してくれていた。

ところが、ひとつだけ問題があった。Parkingである。

カリフォルニアは、クルマ社会だと書いたが、このホテルには、駐車場が
ないというのだ。その代わり、A5サイズくらいの札をくれ
「これをルームミラーにかけておけば駐車できる。このホテルから
2ブロック以内なら、どこでも駐車OK」とフロントの青年が教えてくれた。

そのしくみの詳しくは、わからないが、駐車場不足に悩むサンタモニカ市が
苦肉の果てに生み出した解決策なのだろう。たしかに、ロスの道は日本で
いえば、どこも6車線くらいありそうな広さだから、路肩を駐車場として
「活用」」するのは理にかなっているのかもしれない。

ということで、街に出かけ夕食をすませ、ホテルに戻ってくると、路肩はクルマ、
クルマ、クルマ。

しばらくぐるぐる回ったが、どこにも止められる隙間がない。フロントの青年を
探すが、夜の10時を回っており「フロントは本日終了」との札が出ている。

「困った困った」とつぶやいていたとき、交差点の周囲だけクルマが停まって
いないことに、気がついた。

なあんだ、と思い、クルマを近づけると、路肩には赤いペイントが塗ってある。

普通に考えれば、ここは駐車禁止ということだ。

「もう夜遅いし、ここはサンタモニカだし」ということで、今夜はここに駐車しよう、
ということに決めた。レンタカー会社といい、駐車場といい手間のかかる一日が、
ようやく終わった。

しかし読者の方は、もうおわかりだろう。手間のかかる一日は、終わっていなかったのである。

翌朝、クルマを出そうとすると、運転席の窓に、なにやらビラが貼ってある。

駐車禁止のステッカーだ。

慣れない旅人には、ロスはけっこう冷たい街なのだった。



MALIBU BEACH


朝。カリフォルニアらしい、真っ青な空だ。海岸線沿いを自転車で走る人たちの集団に会った。

「来年のパリダカールで、俺たちは優勝するから記念に写真にとっておいた方がいいぞ」と言われ、
シャッターを押したのが下の写真。

サンタモニカ自転車
サンタモニカ海岸
こんな気持ちのいい場所なら、たしかに、どこまでも走っていけそうだ。

クルマをPCH (Pacific Coast Highway)に向ける。並行して一般道も走っている
ので、入り口を間違えるがすぐ先で合流地点を見つけてクルマの流れにのる。

片側3車線。渋滞はしていないが、ほどほどにクルマが道路を占めている状態。
5~6分も走るとクルマはサンタモニカを抜け、郊外に出たことがわかる。

まだかな、ここかな、と思いながら進むうち、大きなカフェの看板を見つけた。
入ってみる。

Dukes malibu レストランを見る



そのレストランは、ワイキキビーチにも同じオーナーのレストランがあるという。

マリブレストラン
マリブレストラン

レストランは、海岸の上に建っているため、すぐ窓の下を波が押し寄せてきて、太平洋を
眺めながら食事が楽しめる。

また、「はだしバー」と名づけられたバーコーナーもあり、そこでは、サーファーや
地元の若い子たちが、おしゃべりを楽しんでいた。

すぐ外には、ベランダもあり、ここでは、ゴールデンレトリバーなどの犬連れが、
食事やお酒を楽しんでいた。海外にくると、犬が人間の生活に自然と溶け込んで
いる風景に良く会うが、とてもうらやましい。

食事を終えると、malibuは、もうすぐ近くだ。

左手に海が近くなり、有名な桟橋が現れた。クルマを路肩に停め、まずは外に出てみた。
思ったよりも華やかなイメージはなく、のどかなビーチが広がっている。

マリブビーチ

ビーチバレーをする人、犬と一緒に走りまわっている人、お弁当を食べている家族。

写真を何枚かとってみたが、カリフォルニアと言われなければ湘南の海と間違えてしまい
そうなくらい、ごくごく普通のビーチだ。

雑誌などの撮影場所によく選ばれるマリブの桟橋マリブピアーを散歩する。

マリブ桟橋

真っ青な海に向かってのびる、白い橋。下はボードウォークのようになっており、
桟橋の先まで歩いても10分ほどだろうか。釣りを楽しむ人、日光浴をする人、
犬を散歩させる人など。ここでもやはり、カリフォルニアの、のどかな光景が続いている。

桟橋を後にして、クルマに戻ると、海と反対側のショッピングモールに向かった。

マリブマーケット

このMalibu Country Martは、セレブがパパラッチされることで有名だ。

マリブマーケット看板

私の目をひいたのが「Malibu beach store」だ。

いかにも地元のお土産物屋さんなのだが、Tシャツやチープシックな洋服が、
なんともいい味を出していた。そして、その隣には、犬の赤ちゃんと遊ぶ
ためのコーナーが用意されていて(1時間5ドル)家族連れが順番待ちをしていた。

ちなみに、この日はチョコレートラブラドールの赤ちゃんが、
子供たちの「相手」をしていた。

通りを渡ると、ここがmalibuであることを実感させてくれる光景が広がる。

入り口近くには、ラルフローレン。珍しい、ダブルアールのお店だ。

ラルフローレン
マリブマーケット2

当然売っているものも、セレブのご用達のものばかり。中庭があり、
そこで休憩することもできる。

さらに先へ進むと、ビバリーヒルズにもあるセレブにファンの多いセレクトショップ
Planet Blue やMadison のほか海の雑貨のお店や、レストランNOBUがある。

華やかなお店が並ぶ一方で、それほど人が多いわけでなく、海と山に挟まれた
穏やかで美しい町。malibu が多くのセレブに愛され、高級住宅地になっているのは、
この静かな環境によるのかもしれない。

マリブ看板

帰りは、再びPCH (Pacific Coast Highway)を南に下る。

クルマが多くなってくると、サンタモニカは近い。



LA ペット用品事情

malibu取材と同時に、もうひつとの目的がロスのドッグライフ事情、ペット用品事情だった。
海外のペット用品、犬用品は、どのような商品があるのかを、リサーチしたいと考えていたからだ。

ご存知の方も多いと思うが、アメリカには日本の
ホームセンターのようなペットショップがたくさんある。

今回は、その中でも最大手と言われる
Petcoをレポートしよう。

宿泊地のサンタモニカから一番近いショップは、
Wilshire Boulevardに見つかった。hakataという
名前の日本食レストランの隣である。

petco


平日の午前中ということもあるだろうが客はまばらだ。順に見ていく。

まず、それぞれの品揃えのバリエーションがすごい。首輪やリードも、無地のタイプだけでも
何色あるか数えきれないほど並んでいる。犬のおもちゃも、目が回るくらいの数。

リード

面白いのは、お客さんが連れてきたペットが「食べて」しまうように、わざと犬のおやつを
通路の下の部分に陳列してあることだ。

実際、私たちが見ていたときも、初老の女性が連れてきたゴールデンレトリバーがまんまと
「おやつ」にくいつき、女性は、仕方なくお買い上げしていた。

犬のおやつコーナーの量もすさまじく、1パック詰め放題コーナーでは、日本でいえば
サラダバーくらいのバリエーションと量のおやつが所狭しと並んでいた。

Petcoで会ったおばさんに、空港の近くのドッグランをすすめられた。

おばさんは、こっちが旅行者であることを言わせないほど早口でまくしたてるので、
そのまま聞いていると、おばさんは立て続けに話し続けてくれた。

ドッグランの正面の駐車場が混んでいたら一本先の道を入るとまだ駐車場があることや、
夕方より朝が穴場なことなど、英会話のヒアリングテープのように、立て続けに
話しかけてくるのだった。

ちなみに、このPetcoのオリジナル商品というのがあってたとえばバッグは、
Ecoバッグとして持ってきているお客さんもたくさん見かけた。そんな「Petco Bag」に
カラフルなおもちゃと犬のおやつをたくさん詰め込んで買っていました。

また、オリジナルのとフリスビーも可愛いデザインだった。


Petcoの後は、道路の向かいの petsに入った。

ペッツ

ここは、街のペットショップという感じで、マニアックなものばかりを売っている。
楽しそうなデザインのリードや首輪というよりもあくまでも実用本位の
ものばかりをそろえていた。

この後、メルローズアベニュー、メインストリート、ロバートソンブルバードなどを
周り、いくつかのペットショップを取材した。

ペットショップ


印象的だったのは、どのお店にも可愛い看板犬がいたことだ。

ゴールデンの看板犬

ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなどの大型犬がほとんどだが、
ビバリーヒルズのお店には、ダックスやチワワなどが看板犬になっていた。
看板犬の種類によって、そのエリアの特長が感じられ、興味深いものだった。

ロスでは、新しいタイプのペットショップが次々にできているようでいずれも、
セレクトショップとして人気を得ているという。どのお店のオーナーも必要以上に
気取ることなく、犬好きなことが、自然とこちらに伝わってきた。

犬はたしかに可愛い。
でも、ロスのペットショップを見ていると可愛いだけでなく、パートナーとして
存在をしっかり認めながら、大切に育てているように感じた。

気のせいか、どの犬も、おだやかで、楽しそうな顔をしていることが
何よりも記憶に残った旅だった。


*文中のお店や価格などは、2008年3月現在の情報です。
お出かけの際は、ウェブサイトなどで最新情報をご確認ください。

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